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2026.10.11

アトピー

腸活の嘘⑥|善玉菌と悪玉菌。そもそも誰が決めたんですか? ——「悪玉菌」の代表が、薬として使われています—— 名古屋・本山整体サロン 吉川真介

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腸活の嘘⑥|善玉菌と悪玉菌。そもそも誰が決めたんですか?
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——「悪玉菌」の代表が、薬として使われています——

名古屋・本山整体サロン 吉川真介

善玉菌。

悪玉菌。

日和見菌。

——この三つ、知らない人はいないと思います。

テレビでも、サプリの広告でも、腸内フローラの検査結果でも使われています。

小学校で習ったかのように馴染んでいます。

で、聞きたいんです。

その善悪、誰が決めたんですか。

名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。

僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。

今日は、腸活でいちばん有名な言葉を疑います。

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あの三分類は、説明のための枠組みです
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まず、ここをはっきりさせておきます。

善玉・悪玉・日和見という分け方は、腸内細菌を一般の人に説明するために作られた枠組みです。

分かりやすい。

だから広まりました。

でも、研究の世界で、菌をこの三つに仕分けて議論しているわけではありません。

研究で使われるのは、こういう考え方です。

もともと住んでいる菌。

病気を起こす菌。

そして、状況によって病気を起こす側に回る菌。

——三つ目が、肝心なところです。

同じ菌が、相手と場所と状況によって、違う振る舞いをする。

善悪のラベルでは、そこが表せません。

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「悪玉菌」の代表が、薬になっています
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ここが、今回いちばん面白いところです。

大腸菌。

——どんなイメージですか。

食中毒。

不衛生。

悪玉菌の代表格。

たいてい、そうだと思います。

ところが、です。

大腸菌の中に、ニッスル1917株という菌株があります。

これ、プロバイオティクスとして使われています。

しかも、ただのサプリではありません。

潰瘍性大腸炎という腸の病気で、症状が落ち着いた状態を維持する治療に使われています。

2004年の比較試験では、標準的に使われる薬(メサラジン)と比べて、同じくらいの有効性が報告されています。

12か月の再発率は、ニッスル株のグループで110人中40人、36.4%。

薬のグループで112人中38人、33.9%。

——ほぼ同じです。

ヨーロッパの消化器病学会でも、この菌株については検討されてきました。

ただし、今では、どの患者さんにも標準治療の代わりとして推奨される、という話ではありません。

アメリカ消化器病学会のガイドラインでは、潰瘍性大腸炎に対するプロバイオティクスの効果は十分に確立していないと評価されています。

そこは、正確に書いておきます。

それでも、考えてみてください。

大腸菌です。

悪玉菌の代表みたいに扱われてきた、あの大腸菌です。

その一株が、実際の臨床試験で、潰瘍性大腸炎の維持療法として研究されている。

大腸菌だから悪い。

乳酸菌だから良い。

——そんなに簡単に決められるんでしょうか。

【大腸菌という名前だけでは、何も決まりません】

菌株が違えば、働きが違う。

そして、同じ菌株でも、いる場所や相手の体によって意味が変わります。

菌の善悪を決めているのは、名前だけじゃないんです。

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逆に、「善玉菌」も条件次第です
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今度は、逆の話をします。

ここは、誤解を生みたくないので慎重に書きます。

乳酸菌(ラクトバチルス)やビフィズス菌は、善玉菌の代表です。

ところが、医学の報告の中には、こういうものがあります。

免疫が強く落ちている人。

重症で治療を受けている人。

中心静脈に管が入っている人。

早産で生まれた赤ちゃん。

——こうした状況で、これらの菌が血液に入る感染を起こした症例の報告があります。

ここ、絶対に誤読しないでください。

これは、健康な人がヨーグルトを食べたり、サプリを飲んだりして起きる話ではありません。

国際的な専門団体も、重症患者での報告が、一般の消費者の安全性を疑わせるものではないとしています。

僕も、怖がらせたいわけではありません。

言いたいのは、一点だけです。

善玉菌と呼ばれている菌でも、相手と状況によって意味が変わる。

【「誰にでも、どんな状況でも良い菌」は、存在しないということです】

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だから、見るところが変わります
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研究の世界で見ているのは、ここです。

どの菌株なのか。

どこにいるのか。

その人の体が、どういう状態なのか。

そして、その菌がそこで何をしているのか。

名前ではありません。

ふるまいです。

前のシリーズで、腸の中の住人の話を書きました。

そこでも同じことを書いています。

カンジダが、ただいるだけの状態と、悪さをしている状態は別です。

同じ住人が、家の状態によって振る舞いを変える。

【菌の名前より、その菌がそこで何をしているか】

ここが、今の見方です。

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それに、細菌だけの話でもありません
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善玉菌・悪玉菌という言葉を使っていると、腸の中が細菌だけで出来ているように見えてきます。

実際には、違います。

細菌。

真菌(カビの仲間)。

ウイルス。

古細菌と呼ばれるもの。

そして、場合によっては原虫のような生き物。

研究も、細菌以外までだんだん広がってきています。

善玉と悪玉の二軸で説明すると、ここが全部抜け落ちます。

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善悪で分けると、何が困るのか
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分かりやすい言葉には、代償があります。

一つ。

「悪玉を減らせば良くなる」という発想になります。

叩く方向です。

前のシリーズで書いたとおり、腸は一匹の犯人を追い出せば終わり、という場所ではありません。

二つ。

検査結果の数字に振り回されます。

「悪玉菌が多いと言われました」。

——それで、何が起きているんでしょうか。

お腹の張りは。

便は。

食後の調子は。

そこを見ずに、紙の上の割合だけを気にしてしまう。

三つ。

善玉菌を足すことが目的になります。

第3部で書いた話に戻ります。

飲んだことは分かる。

で、その後どうなったんですか。

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「悪玉菌が多いと言われて、不安になった」。

「善玉菌を増やしているのに、お腹の調子が変わらない」。

「結局、何を減らして何を増やせばいいのか分からない」。

そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。

今やっていること、お腹と便の状態、肌の経過。

そこから、何が先かを一緒に決めます。

善玉菌。

悪玉菌。

日和見菌。

便利な言葉です。

でも、便利すぎるんです。

大腸菌だから悪い。

乳酸菌だから良い。

悪玉菌は減らす。

善玉菌は増やす。

——本当に、それだけでいいんでしょうか。

大腸菌にも、病気の治療のために研究されてきた菌株がある。

善玉と呼ばれる菌にも、状況によって問題を起こすものがある。

そして、腸の中には細菌以外の微生物も暮らしている。

そもそも、腸の中は善玉と悪玉の二チームで戦っている場所ではありません。

菌は、自分が善玉だと思って働いているわけではない。

悪玉として生まれてきたわけでもない。

その場所で、その環境の中で、生きているだけです。

問題は、何がいるかだけじゃない。

【そこで何をしているか、なんです】

ここを見ずに「善玉菌を増やしましょう」。

僕は、その考え方にずっと引っかかっています。

次回は、このシリーズをアトピーに戻します。

腸活を頑張っているのに、アトピーが良くならない人。

——そこで、何が起きているんでしょうか。

腸と皮膚のつながりは、どこまで分かっていて、どこからが分かっていないのか。

正直に書きます。

名古屋・本山整体サロン
吉川真介

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(本文で触れた資料)
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Kruis W, et al. Maintaining remission of ulcerative colitis with the probiotic Escherichia coli Nissle 1917 is as effective as with standard mesalazine.
Gut. 2004;53(11):1617-1623.

ECCO(European Crohn's and Colitis Organisation)の潰瘍性大腸炎に関するガイドライン

プロバイオティクスに関連した菌血症の症例報告および総説(免疫抑制状態・重症患者・早産児での注意について)

ISAPP(International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics)による見解