
2026.11.05
アトピー減っているはずの女性ホルモン。なぜ、さらに減らす薬が必要なの? ——エストロゲンの二面性 第5回/更年期の身体で何が起きている? 血液検査では見えないエストロゲンの話—— 名古屋・本山整体サロン 吉川真介
減っているはずの女性ホルモン。なぜ、さらに減らす薬が必要なの?
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——エストロゲンの二面性 第5回/更年期の身体で何が起きている? 血液検査では見えないエストロゲンの話——
名古屋・本山整体サロン 吉川真介
更年期が近づくと、女性ホルモン(エストロゲン)は減っていく。
これ、よく聞きますよね。
エストロゲンは女性の身体を守る大切なホルモン。
肌や骨、血管の健康にも関わっています。
だから、更年期になって減ってくると、いろいろな不調が出てくる。
ここまでは、分かります。
でも、ちょっと不思議だと思いませんか。
女性ホルモンが関わる病気には、こんなものがあります。
乳がん。
子宮筋腫。
子宮内膜症。
子宮体がん。
しかも、乳がんや子宮体がんは、閉経後の女性にも多く見られます。
そして、こんな相談もあります。
40代後半から、顔が赤くなりやすくなった。
お風呂上がりだけじゃない。
朝から頬が熱い。
今まで使っていた化粧品が、急にしみる。
皮膚科では「酒さですね」と言われた。
でも、何年も赤みが引かない。
「更年期だから仕方ないんでしょうか」
ここで、一つ疑問が出てきませんか。
女性ホルモンは、減っているんですよね。
それなのに、女性ホルモンの働きを抑える薬が、病気の治療に使われている。
たとえば、閉経後の乳がんです。
女性ホルモンを減らす薬が、実際に治療に使われています。
もう十分に減っているはずなのに、さらに減らす。
なぜ?
そもそも、女性の身体を守ってくれるはずのホルモンが、どうして病気の成長を助けることがあるんでしょうか。
減ったら不調になる。
でも、働きすぎても困る。
しかも、血液検査では女性ホルモンが少なくても、病気のある場所では違うことが起きている。
これ、ものすごく不思議じゃないですか。
実は僕自身、以前からずっと疑問に思っていました。
女性ホルモンは身体を守るものなのか。
それとも、病気を悪化させるものなのか。
長年、女性の不調と向き合い、身体の仕組みや研究を調べていくうちに、一つの重要なことが見えてきました。
血液の中の女性ホルモンの量と、身体のそれぞれの場所で働いている量は、必ずしも同じではない。
ここなんです。
卵巣以外にも、女性ホルモンを作っている場所があります。
そして、慢性の炎症が、その働きに関わっている病気もあります。
この不思議な仕組みを、できるだけ分かりやすくほどいていきます。
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減っていることと、影響がなくなることは、別の話です
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まず、いちばん大事なことを書きます。
女性ホルモンが減っていることと、女性ホルモンの影響がなくなることは、まったく別の話なんです。
ここが混ざると、話が全部おかしくなります。
閉経後の乳がんのうち、女性ホルモンの影響で増殖するタイプの治療を見てください。
アナストロゾール。
レトロゾール。
エキセメスタン。
どれも、エストロゲンを作る働きを抑える薬です。
卵巣はもう止まっています。
血液の中のエストロゲンも、大きく下がっています。
それなのに、さらに作らせないようにする薬が、治療の柱として使われている。
答えは一つしかありません。
卵巣が止まったあとも、どこかでエストロゲンは作られているということです。
ここで誤解されると困るので、はっきり書いておきます。
この薬で更年期が楽になるわけではありません。
逆です。
エストロゲンをさらに下げる薬なので、ほてりや関節の痛み、骨密度の低下が副作用として出てきます。
効くというのは、がんの再発を抑えるという意味です。
更年期の症状に効くという話ではありません。
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卵巣の外にも、作る場所があります
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エストロゲンは、無から作られるわけではありません。
材料があります。
その材料が、男性ホルモンです。
意外ですよね。
女性ホルモンの材料は、男性ホルモンなんです。
そして身体には、その材料を女性ホルモンに作り変える装置があります。
アロマターゼという酵素です。
やっていることは単純です。
材料を少し組み替えて、別のホルモンに変える。
工場の変換ラインのようなものだと思ってください。
そして、この変換ラインは卵巣だけにあるわけではありません。
脂肪。
皮膚。
脳。
骨。
こうした場所にもあります。
閉経すると、血の中のエストロゲンは大きく下がります。
でも、ゼロにはなりません。
卵巣が主役から降りたあと、こうした場所での変換が供給の中心になっていきます。
作る場所が、一か所から全身に分散する。
だから、閉経後でも「作らせない薬」が治療になるんです。
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血液では少ない。それなのに、組織の中では多かった
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ここまでは理屈です。
実際に測った報告があります。
閉経後の乳がんで、腫瘍の組織の中のエストラジオール濃度を測ると、血の中の濃度より大幅に高い。
血液検査では少ない。
それなのに、その場所では多かった。
さらに、エストロゲンを作らせない薬を使うと、組織の中の濃度が下がったと報告されています。
薬で変換を止めると、その場所が変わる。
つまり、その場所の話だということです。
ここは、線を引いておきます。
これは乳がんの患者さんの腫瘍組織を測った話です。
健康な人の皮膚や、酒さの皮膚で同じ差があるという意味ではありません。
そして、なぜその場所の濃度が高くなるのかも、まだ決着していません。
その場で作っているからだという見方と、受け皿を通して血の中から取り込んでいるからだという見方があって、今も議論されています。
でも、どちらにしても言えることが一つあります。
血液検査の数字と、その場所の中の状態は、別です。
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炎症が、女性ホルモンを増やしていた?
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ここから、慢性の不調を見ている側としていちばん気になる話に入ります。
子宮内膜症です。
正常な子宮内膜では、さきほどの変換ラインはほとんど動いていません。
ところが、内膜症の病変では、この変換ラインが異常に動いていることが報告されています。
その場所でエストロゲンを作っている。
そして、それを押しているものがあります。
炎症のときに増える物質です。
PGE2と呼ばれています。
第1回で、生理痛の薬の話をしました。
毎月飲んでいるあの薬が減らしているのが、この物質です。
そのPGE2が、変換ラインの働きを強める。
そして作られたエストロゲンが、またPGE2を増やす側に働く。
ここで、一つ聞いてください。
女性ホルモンが多いから、炎症になるのでしょうか。
それとも、炎症があるから、その場所で女性ホルモンが作られるのでしょうか。
少なくとも子宮内膜症の病変では、答えは「両方」です。
どちらが先かではありません。
回っているんです。
子宮内膜症では、炎症が続くことで、その場所のエストロゲン産生が促される。
そして作られたエストロゲンが、また炎症を後押しする。
これが、血液検査には写らない場所で起きています。
実際、この輪を断つ狙いで、エストロゲンを作らせない薬が内膜症の痛みに試されてきました。
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「検査は正常です」で、思考が止まっていませんか
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ここだけは、言わせてください。
僕が引っかかっているのは、この一言です。
「検査は正常です」
これは、検査した項目が基準の範囲だったという意味です。
身体のすべてが正常という意味ではありません。
それなのに、この一言で話が終わります。
いつ測ったのかも聞けていない。
何を調べる目的で測ったのかも分からない。
そして、測っていない場所のことは、最初から話題に上がりません。
これは検査の限界です。医師の落ち度ではありません。
ただ、限界があるものを「正常でした」の一言で使い切ってしまうと、そこで止まります。
一年後も、同じところが崩れている。
「正常なのに、つらい」
この感覚は、矛盾ではありません。
測った数字だけでは、説明できていないことがあるんです。
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皮膚も、ホルモンを作っています
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ここが、うちに来られる方にいちばん関係する部分です。
皮膚にも、アロマターゼとエストロゲンの受け皿があります。
作る装置が、肌にもあるということです。
そしてエストロゲンは、皮膚のバリア機能、水分を保つ力、傷が治る過程、炎症の強さの調節にも関わっています。
肌とホルモンが関係しているという感覚そのものは、間違っていません。
更年期以降に肌が乾きやすくなる、傷が治りにくくなるというのも、こことつながっています。
ここまで読んで、こう思いませんか。
だったら、酒さやアトピーの皮膚でも、同じことが起きているのではないか。
僕も、そこが気になっています。
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ここは、研究の途中です
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誤解されると困るので、一か所にまとめます。
アロマターゼが身体のあちこちにあること、閉経後の供給が卵巣以外の変換に移ることは、確立した内容です。
子宮内膜症の病変でその変換が異常に動いていること、炎症の物質が関わることも、報告されています。
子宮体がんは、エストロゲンの作用が歯止めなく続くことがリスクと関係することが知られています。
一方で、子宮筋腫は一般に閉経後には縮小しやすいとされています。病気ごとに、閉経後の動きは違います。
酒さについては、自然免疫の反応、神経と血管の反応、マスト細胞の関与などが、より中心的な病態として研究されています。
アトピーも、バリアの弱さと免疫の反応が主役です。
どちらも、その場所のエストロゲンが増えて起きていると確認されたわけではありません。
だから僕は、こういう立場を取ります。
ホルモンが皮膚に作用しているのは事実。
周期や更年期で症状が動く人がいるのも事実。
その二つをつなぐ仕組みは、どこまで分かっていてどこからが仮説なのか。
ここを曖昧にしないまま、調べる価値のある方向として扱う。
そして、不正出血が続く。急に胸にしこりを感じた。いつもと違う激しい痛みがある。
ここは医療が先です。
乳がんや子宮の病気の診断と治療、ホルモン剤を使うかどうかの判断は、医療機関の仕事です。
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検査に映らない身体の不調を、僕は見逃したくない
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生理前になると顔が赤くなる。
更年期に入ってから眠れなくなった。
お腹が張る。便秘が続く。疲れが抜けない。
こうした症状を、一つずつ別のものとして片づけていませんか。
本山整体サロンでは、症状が重なる時期や身体の緊張、呼吸、胃腸の状態まで一緒に確認しています。
名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。
僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。
その40年、僕も数字と名前で納得していました。
説明されると、分かった気になるんです。
でも、身体は変わりませんでした。
変わったのは、整体を学んで、手で触るということを覚えてからです。
血液検査では、お腹の緊張や呼吸の浅さまでは分かりません。
だから僕は、実際に身体を確認します。
お腹の張り。
横隔膜や胸郭の動き。
首や肩の緊張。
眠りの深さ。
胃腸の調子。
こうした状態を一つずつ確かめて、整体と生活の見直しを組み合わせます。
はっきり書いておきます。
その場所のエストロゲンを、手で測っているわけではありません。
女性ホルモンを直接操作することもできません。
でも、睡眠や身体の緊張、胃腸の不調など、今の身体で改善を目指せるところはあります。
ホルモンの量だけを追いかけて、あなた自身の身体を置き去りにしたくないんです。
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次回
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子宮内膜症では、炎症がエストロゲンを増やし、そのエストロゲンがまた炎症を強める。
そんな悪循環が報告されています。
では、顔の皮膚ではどうでしょうか。
更年期になってから、頬が赤くなった。
顔がほてる。
今まで平気だった化粧品が、突然しみるようになった。
酒さと診断され、何年も赤みが引かない。
なぜ、女性ホルモンが減っていく時期に、こうした症状が出てくるのか。
皮膚にも、作る酵素があります。
受け取る受け皿もあります。
そして、慢性の炎症が続いている皮膚があります。
もし、皮膚の中でも炎症とエストロゲンが互いに影響し合っているとしたら。
これは、まだ証明された話ではありません。
でも、僕はこの可能性から目を離していません。
次回は、酒さとアトピーの皮膚で何が起きているのか。
研究で分かっていることと、僕自身の仮説を分けながら、もう一歩踏み込みます。
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「検査は異常なしと言われたのに、不調が続いている」
「更年期に入ってから、顔の赤みが治まらない」
「生理前になると、毎月同じところが崩れる」
そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。
崩れる時期、崩れる場所、検査をいつ受けたか、眠りの深さ、お腹の状態。
この順番で、何から見るかを一緒に決めます。
必要な方には、初回限定6,900円で、アトピー整体の初回相談・施術もご案内しています。
アトピー整体で何をするのか、初回の流れと料金はこちらにまとめています。
https://motoyama-seitai.com/online
名古屋・本山整体サロン
吉川真介
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愛知県名古屋市千種区本山
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本山整体サロン
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(本文で触れた資料)
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[1]アロマターゼ(CYP19A1)がアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であること、脂肪組織・皮膚・脳・骨など卵巣以外の組織にも存在すること、閉経後はエストロゲンの供給が卵巣以外の組織での変換に移ることは、内分泌学の確立事項。アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール・レトロゾール・エキセメスタン)が閉経後のホルモン受容体陽性乳がんの治療・再発予防に用いられることも確立した事実。更年期症状を改善する薬ではなく、ほてり・関節痛・骨密度低下が副作用として知られている。
[2]閉経後乳がんの腫瘍組織内エストラジオール濃度が血中より大幅に高いことは、複数の報告で言われている。アロマターゼ阻害薬の投与により腫瘍組織中のエストロンおよびエストラジオールが低下することも報告されている。
組織/血中比の具体的な倍数は原著の抄録だけでは独立に照合できなかったため、本文では数値を出さず「大幅に高い」と書いている。
また、この高濃度が局所での合成によるものか、エストロゲン受容体を介した血中からの取り込みによるものかは決着していない。2010年のClinical Cancer Research誌の報告(Haynes ら)は、腫瘍内エストラジオール濃度がESR1(エストロゲン受容体)の発現と最も強く相関し、局所合成よりも受容体を介した取り込みが主要な決定因子である可能性を示している。本文ではこの論争を明記している。
[3]子宮内膜症におけるエストロゲン産生と代謝。病変でのアロマターゼの異常発現、PGE2とCOX-2を介した正のループ。
Bulun SE, et al. Estrogen production and metabolism in endometriosis.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11949967/
[4]子宮内膜症に対するアロマターゼ阻害薬。痛みの軽減が報告されている。骨密度の監視が必要。
Pavone ME, Bulun SE.(総説)
[5]ヒト皮膚における性ステロイド受容体の分布。アンドロゲン受容体は表皮のケラチノサイトと皮脂腺細胞に広く発現。エストロゲン受容体はβ型が表皮・皮脂腺・汗腺に強く発現。
Pelletier G, Ren L.(2004)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15024720/
[6]性ホルモンとアトピー性皮膚炎の経過に関する総説。
Int J Mol Sci.(2019)20(19):4660
https://www.mdpi.com/1422-0067/20/19/4660
[7]子宮体がんはエストロゲンの作用がプロゲステロンの拮抗を受けずに続くことがリスクと関係することが知られている。子宮筋腫は一般に閉経後に縮小しやすい。酒さについては、ホルモンの影響が研究されているものの、その場所のエストロゲンが増えて起きていると断定できる段階ではない。本文ではこの差を明記している。
[8]本文のうち、触診で分かること(腹部の硬さ、横隔膜の動き、首や肩の緊張)と、整体と生活の見直しを組み合わせるという施術方針は、本山整体サロンの臨床で見ている内容として書いている。整体によってアロマターゼの活性や組織中のホルモン濃度が変化するという証明はない。










