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2026.11.06

アトピー

女性ホルモンを増やしていたのは、腸内細菌だった? ——エストロゲンの二面性 第6回/更年期・生理前の不調と、知られていないエストロゲンの通り道—— 名古屋・本山整体サロン 吉川真介

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女性ホルモンを増やしていたのは、腸内細菌だった?
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——エストロゲンの二面性 第6回/更年期・生理前の不調と、知られていないエストロゲンの通り道——

名古屋・本山整体サロン 吉川真介

女性ホルモンは、卵巣で作られる。

更年期になると、その量が減る。

だから女性ホルモンの問題は、卵巣の問題。

そう思っていませんか。

ところが、もう一つ、女性ホルモンの量に関わっている場所があります。

腸です。

しかも、腸の細胞だけではありません。

そこに住んでいる腸内細菌です。

身体は、不要になった女性ホルモンを外へ出そうとします。

ところが、腸内細菌の中には、そのホルモンを再び吸収できる形に変えてしまうものがいるんです。

一度は外へ出そうとした女性ホルモンが、また身体の中へ戻ってくる。

これ、知っていましたか。

先に一つ、はっきりさせておきます。

腸内細菌が、女性ホルモンを新しく作っているわけではありません。

捨てる形にされたものを、もう一度使える形に戻している。

そういう働きです。

僕が興味を持ったのは、ここなんです。

女性ホルモンの問題を考えるとき、卵巣だけ見ていて、本当に十分なんでしょうか。

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前回の記事
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前回は、酒さと女性ホルモンの話を書きました。

顔ダニを減らす治療をしても、赤みが繰り返される人がいます。

2025年の報告では、女性ホルモンを補ったほうが、酒さに似た皮膚炎が悪化しました。

同じホルモンでも、通る受け皿が違えば、結果まで変わる。

赤ら顔、酒さは「顔ダニ」が原因? では、なぜ治療しても赤みが繰り返されるの?

https://motoyama-seitai.com/blog?wgd=blog-790

ここまでは、作る場所と、受け取る場所の話でした。

残っているのが、出口です。

そして出口には、あなたの細胞ではないものが関わっています。

おそらく、この記事を開いたあなたは——

更年期に入って、不調が増えた。

生理前になると、決まって同じところが崩れる。

検査では、ホルモンは正常だと言われた。

腸の話と女性ホルモンの話は、別の引き出しに入っている。

そんな状態じゃないでしょうか。

その引き出しを、一つにします。

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肝臓は、女性ホルモンに「荷札」をつけて捨てています
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エストロゲンは、使い終わると肝臓に運ばれます。

そこで肝臓がやっているのは、分解というより荷造りです。

水に溶けにくいホルモンに、グルクロン酸という荷札をつける。

これで水に溶ける形になって、外に出せるようになります。

抱合、と呼ばれる働きです。

ここが面白いところです。

荷札がついたエストロゲンは、もうホルモンとして働けません。

受け皿(エストロゲン受容体)にはまらない形になっています。

——「捨てる袋に入れた」状態です。

その袋は、尿から出ていく分と、胆汁に混ざって腸へ出ていく分があります。

ここまでは、教科書に書いてある話です。

身体は、作るだけでなく、捨てるところまで設計されている。

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腸の菌が、その荷札を外しています
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腸には、その荷札を外す酵素を持った菌が住んでいます。

β-グルクロニダーゼという酵素です。

荷札が外れると、エストロゲンは元の形に戻ります。

元の形に戻るということは——

もう一度、受け皿にはまる形に戻るということです。

そして腸から吸収されて、血液に戻っていきます。

捨てたはずのものを、途中で拾い直されている。

ゴミ袋を出したのに、収集車が来る前に誰かが袋を開けて、中身を家の中に戻している。

そういう経路が、身体の中にあります。

腸肝循環と呼ばれます。

この働きに関わる腸内細菌の遺伝子のまとまりには、エストロボロームという名前までついています。

ホルモンの出入りに関わる遺伝子に、専用の名前が付いている。

それだけ、無視できない経路だということです。

ここで、第2回を思い出してください。

豆乳を「効く形」に変えているのが、あなたの細胞ではなく腸の菌でした。

そして、捨てたものを拾い直しているのも、腸の菌です。

自分の遺伝子に書かれていない働きが、ホルモンの量に関わっている。

親からもらった体質の話ではありません。

あとから住み着いたものが、関わっているんです。

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腸内細菌が豊かな人ほど、エストロゲンの排泄量にも違いがありました
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ここまでは仕組みの話です。

では、人で測ったらどうなるのか。

実際に測った研究があります。

51人の尿と便を集めて、エストロゲンとその代謝物を質量分析で測った報告です。

同時に、便の中の菌の種類の豊かさと、荷札を外す酵素の働きの強さも測っています。

ここは、人数の内訳が大事です。

51人のうち、男性が25人。

閉経後の女性が7人。

閉経前の女性が19人。

関連が見られたのは、男性と閉経後女性を合わせた32人のほうです。

その32人では、尿に出てくるエストロゲンの総量が多い人ほど、便の中の菌の種類が豊かでした。

しかも、かなり強い関係でした。

そして、荷札を外す酵素の働きが強い人ほど——

便の中に残っているエストロゲンが、少なかった。

逆向きの関係です。

つまり、こう読めます。

菌が荷札を外した分は、便として出ていかない。

出口まで来ていたものが、出口の手前で回収されている。

ここは、細かいようで外せないところです。

測ったのは、主に尿と便に出てきたエストロゲンです。

血液の中の濃度を測った研究ではありません。

それと、荷札を外す酵素の働きと関係していたのは、尿に出てくるエストロンという一つの種類でした。

尿のエストロゲン全体とは、はっきりした関係が出ていません。

だから「菌が多いと女性ホルモンが増える」とは書けません。

言えるのは、ここまでです。

腸の菌の豊かさや働きによって、エストロゲンの出入りの量が変わっていた。

著者たちはこう書いています。

腸の菌の豊かさと働きが、卵巣以外から来るエストロゲンの量に関わっている。

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ところが、閉経前の女性では関連がありませんでした
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ここは、正直に書きます。

この関係がはっきり出たのは、男性と、閉経後の女性でした。

閉経前の女性19人では、関連が確認されていません。

ここ、言い方を間違えないようにします。

閉経前の女性では、腸の菌がホルモンに関わっていない——という話ではありません。

19人を調べたこの研究では、関連が数字として出なかった。

そういう意味です。

生理前の不調でこの記事を読み始めた方には、ここで一つ謝らないといけません。

あなたの世代について、まだ答えは出ていないんです。

では、なぜ出なかったのか。

著者たちは理由を書いています。

閉経前の女性のホルモンは、周期で大きく動きます。

上がって、下がって、また上がる。

その振れ幅が大きすぎて、菌の影響が埋もれてしまう。

ここで、思い出してほしいことがあります。

第4回で書きました。

閉経すると、卵巣は主役から降ります。

そのあとの供給は、脂肪や皮膚での変換に移っていきます。

つまり——

卵巣が大きな音を出している時期は、腸の音が聞こえない。

卵巣が静かになってから、腸の音が聞こえてくる。

だとすれば、閉経後のほうが、腸の影響は見えやすくなります。

これ、不思議じゃないですか。

卵巣が止まったあとのほうが、腸の話が前に出てくる。

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ここは、研究の途中です
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誤解されると困るので、一か所にまとめて書きます。

仕組みとしては、はっきりしています。

肝臓が荷札をつける。

尿と胆汁から外に出る。

腸の菌が荷札を外すことがある。

外れたものが再吸収されうる。

ここは確立した話です。

人で測った関連も、報告されています。

ただ、51人の横断的な研究です。

原因と結果を決める形の研究ではありません。

そして閉経前の女性では、関連が見つかっていません。

総説でも、この分野の研究は初期段階だと書かれています。

だから、こうは書きません。

腸内環境を整えればホルモンの乱れが治る。

腸の菌を変えれば更年期が楽になる。

そこまで言える段階ではありません。

それと、子宮や乳腺の病気の診断と治療は、医療の仕事です。

しこり、不正出血、急に強くなった痛み。

ここは婦人科が先です。

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「検査は正常です」では、出入りは分かりません
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「血液検査では、ホルモンは正常だと言われました」

この言葉を、何度も聞いてきました。

数値が正常なら、ホルモンは関係ない。

そう説明されて、帰ってくる。

でも、血液検査が見ているのは、ある一瞬の濃度です。

どれだけ作ったか。

どれだけ捨てたか。

どれだけ戻ってきたか。

その出入りは、一回の数字には写りません。

出ていく量が減れば、同じだけ作っていても、身体の中に留まる時間は変わります。

量の話ではなく、回転の話です。

第1回で書いたことを、もう一度置きます。

エストロゲンの問題は、多いか少ないかではありませんでした。

どこで、どのくらい、どんな環境で働いているか。

そこに、もう一つ足されます。

どれだけ、出ていけているか。

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便秘とホルモンを、同じ話にしたくありません
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ここだけは、言わせてください。

この話をすると、必ずこう言われます。

「じゃあ、便秘を治せばホルモンも整うんですね」

そうは言えないんです。

荷札を外す菌の働きと、便が毎日出るかどうかは、別の話です。

毎日出ている人の腸に、その菌がいないわけではありません。

出ていない人の腸で、再吸収が増えていると測った研究もありません。

ここを一本につなげると、嘘になります。

言えるのは、ここまでです。

腸は、ホルモンの出口にあたる場所です。

そして、その出口で何が起きているかは、血液検査には写りません。

そのうえで、僕が引っかかっていることを一つだけ書きます。

腸の話になると、話はだいたい「何を入れるか」になります。

ヨーグルト。発酵食品。食物繊維。

「ヨーグルトは毎日食べています」

そう言う方の冷蔵庫には、たしかに毎日入っています。

でも、その方の便が毎日出ているわけではないんです。

入れたものは数えられます。買ったもの、飲んだもの、食べたもの。

出ていったものは、見えません。

だから数えない。

数えていないところが、だいたい見落とされています。

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僕も、入れる方ばかり数えていました
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名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。

僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。

身体にいいと言われたものは、だいたい試しました。

飲むもの。

塗るもの。

食べる順番。

全部、入れる側の工夫です。

出す側を数えたことは、一度もありませんでした。

今日、何が出ていったか。

それを見るようになったのは、ずっとあとです。

順番が逆だったんです。

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肌の相談に来た方の、お腹が硬い
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「生理前になると、顔が必ず崩れます」

この相談が、いちばん多いです。

そういう方を触っていくと、だいたい一緒に起きていることがあります。

便が出ていない。

お腹が張っている。

眠りが浅い。

肋骨の下が硬くて、動かない。

肌の話をしに来た方の、お腹が硬いんです。

「便秘は、子どもの頃からです」

初回の問診で、この言葉を聞く回数がものすごく多い。

そして、ほとんどの方が、それを肌やホルモンの話と結びつけていません。

便秘は便秘。肌は肌。ホルモンはホルモン。

——別の引き出しに入っています。

本山整体サロンでは、この四つをまとめて確認します。

便通。

お腹の張り。

眠りの深さ。

生理前や更年期との重なり。

はっきり書いておきます。

整体で腸内細菌の顔ぶれが変わる、という話ではありません。

ホルモンの再吸収を手で測ることもできません。

施術のあと、「久しぶりにお腹が鳴りました」と言われることがよくあります。

その日のうちに便が出る方もいます。

それが菌の話なのかどうかは、僕には分かりません。

見ているのは、そのあとどうなったかです。

便の間隔が短くなったか。

お腹の張りが軽くなったか。

眠りが深くなったか。

毎月の崩れ方が、前より浅くなったか。

三週間だけで結論を急がず、三か月前とも比べてください。

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卵巣だけを見ていて、十分なんでしょうか
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女性ホルモンの話は、だいたい卵巣で終わります。

減ったから補う。

多いから抑える。

でも、ここまで読んでいただいたとおりです。

作る場所は、卵巣だけではありませんでした。

受け取り方も、場所によって違いました。

そして出口では、あなたの細胞ではないものが関わっています。

卵巣で作られる量だけを見て、女性ホルモンのすべてを説明できるのでしょうか。

腸内細菌がホルモンの再吸収に関わっている。

その仕組みが、実際に人の身体でもどこまで影響しているのか。

僕は、この先がもっと知りたいんです。

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次回
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ここまで、作る場所も、受け取る場所も、出口も見てきました。

でも、一つだけ、まだ手をつけていない質問があります。

いつから、そうなったのか。

アトピーは、子どものうちは男の子に多い病気です。

ところが、ある時期から、女性のほうが多くなります。

入れ替わるんです。

ちょうどその時期に、エストロゲンが立ち上がってきます。

そして、その時期に言われる言葉が、だいたい同じです。

「大人になれば治るから」

そう言われて、治らなかった人を、何人も見てきました。

次回は、そこを見ていきます。

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「血液検査は正常だと言われた」

「便は、毎日は出ていません」

「更年期に入ってから、何をしても戻らない」

そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。

お腹の状態、便の出方、生理前の崩れ方、眠りの深さ、食べている量。

この順番で、何から見るかを一緒に決めます。

必要な方には、初回限定6,900円で、アトピー整体の初回相談・施術もご案内しています。

アトピー整体で何をするのか、初回の流れと料金はこちらにまとめています。

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名古屋・本山整体サロン
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(本文で触れた資料)
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[1]エストロゲンは肝臓でグルクロン酸抱合・硫酸抱合を受けて水溶性となり、胆汁および尿から排泄される。抱合体は受容体に結合できない形になる。
生理学・生化学の教科書的事実

[2]腸内細菌のβ-グルクロニダーゼが抱合を外すと遊離型エストロゲンに戻り、腸から再吸収されうる(腸肝循環)。この働きに関わる腸内細菌の遺伝子群はエストロボロームと呼ばれる。ただし、その活性の個人差が疾患や症状をどこまで左右するかについて、総説自身が研究は初期段階であると述べている。
Sui Y, et al. Front Cell Dev Biol.(2021)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8388929/

[3]腸内細菌由来β-グルクロニダーゼを、エストロボロームの機能本体として整理した総説。再吸収と排泄の釣り合いが、循環に戻るエストロゲン量を左右すると説明されている。
Gut Microbes(2023)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10416750/

[4]本文で「実際に測った研究」として扱っている報告。米国NIHの職員51人(男性25人、閉経後女性7人、閉経前女性19人)の尿と便を採取し、エストラジオール・エストロンおよび13種のエストロゲン代謝物を液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析で定量。便中のβ-グルクロニダーゼ・β-グルコシダーゼ活性と腸内細菌の多様性も測定している。
 ・尿中総エストロゲンおよび多くの個別代謝物が、便中細菌の豊かさ(richness)とα多様性のすべての指標と、非常に強く正の関連を示した。ただしこの関連が見られたのは男性25人と閉経後女性7人を合わせた32人であり、閉経後女性のみの解析ではない
 ・測定されたのは尿中および便中のエストロゲンとその代謝物で、血中エストロゲン濃度ではない
 ・便中β-グルクロニダーゼ活性と有意に相関したのは尿中エストロンのみ(R=0.36, P=0.04)であり、尿中の総エストロゲンや他の代謝物とは有意な相関がなかった
 ・便中β-グルクロニダーゼは、便中の総エストロゲン(抱合型・遊離型とも)と逆相関(R≤−0.47, P≤0.01)
 ・閉経前女性19人のエストロゲン値は、周期を通じて変動が大きく、便中細菌および酵素のいずれの指標とも関連しなかった(P≥0.6)。これは「閉経前では腸内細菌がエストロゲン代謝に関わらない」ことの証明ではなく、この19人では統計的な関連が出なかったという意味である。本文でもその区別を明記している
 著者らは「腸内細菌の豊かさと機能(β-グルクロニダーゼを含むが、それに限らない)が、腸肝循環を介して卵巣以外に由来するエストロゲンの量に影響する」と結論している。
 51人の横断研究であり、因果関係を示したものではない。
Flores R, et al. J Transl Med. 2012;10:253
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3552825/

[5]本文で「卵巣が主役から降りたあと、脂肪や皮膚での変換に供給が移る」と書いた部分は、第4回で扱った内分泌学の確立事項に基づく。閉経前で関連が出なかった理由として本文に書いた「周期の振れ幅が大きいため」は、[4]の著者自身の記載による。

[6]便通(排便の頻度や便秘)と、腸内細菌によるエストロゲンの脱抱合・再吸収の量との関係を直接測った研究は、今回の調査では見つけられなかった。したがって本文では「便秘を治せばホルモンも整う」とは書かず、両者を同じ話にしないことを明記している。

[7]本文のうち、肌の相談で来られた方に便通・腹部の張り・呼吸・睡眠・周期との重なりを確認するという施術方針、施術後に腹部の動きや便通の変化を訴える方がいること、三か月前とも比べて判定することは、本山整体サロンの臨床で見ている内容として書いている。整体によって腸内細菌の構成、β-グルクロニダーゼの活性、エストロゲンの再吸収量が変化するという証明はない。