2026.11.06
アトピー男の子なのに、女性ホルモンが増える。僕のアトピーが崩れはじめたのも、その頃でした。 ——エストロゲンの二面性 第7回/男性ホルモンが女性ホルモンに変わる。成長期の皮膚で何が起きているのか—— 名古屋・本山整体サロン 吉川真介

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男の子なのに、女性ホルモンが増える。僕のアトピーが崩れはじめたのも、その頃でした。
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——エストロゲンの二面性 第7回/男性ホルモンが女性ホルモンに変わる。成長期の皮膚で何が起きているのか——
名古屋・本山整体サロン 吉川真介
思春期に増えるホルモンといえば、どちらを思い浮かべますか。
男の子なら、男性ホルモン。
女の子なら、女性ホルモン。
ふつうは、そう分かれていますよね。
ところが、男の子の身体でも女性ホルモンは増えます。
男性ホルモンが増えるのと同じ時期に、その一部が女性ホルモンに変わっていきます。
ここで、僕の話をします。
小学校の高学年から、顔と頭がひどくなりました。
中学に上がって、学ランを着るようになって——
肩に、雪が積もっていました。
朝、玄関で肩を払う。
それでも学校に着くまでに、また白くなっている。
後ろの席の子に見られているのが分かる。
授業中、頭をかかないようにしているだけで疲れました。
あのころ、僕の身体で何が変わっていたのか。
四十年たって、やっと調べました。
すると、思いもしなかったことが分かりました。
男の子の成長に、女性ホルモンが欠かせなかったんです。
しかも、アトピーが多い性別まで、思春期を境に入れ替わっていました。
おそらく、この記事を開いたあなたも——
小学校の高学年か、中学から、急にひどくなった。
出る場所が、ひじの内側から顔や首に移った。
「成長期だから」「体質だから」と言われてきた。
そして今、強い薬を勧められている。
このあたりにいるんじゃないでしょうか。
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男の子の身体は、男性ホルモンから女性ホルモンを作っています
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男性ホルモンと女性ホルモンは、別々に作られているわけではありません。
女性ホルモンの材料は、男性ホルモンです。
そして身体には、材料を作り変える装置があります。
アロマターゼという酵素です。
この装置は、卵巣だけにあるわけではありません。
脂肪。皮膚。脳。骨。
男の子の身体にも、ちゃんとあります。
だから、こうなります。
思春期に男性ホルモンが立ち上がる。
その一部が、アロマターゼで女性ホルモンに変わる。
男の子の血液の中でも、女性ホルモンは上がっていきます。
これは推測ではありません。
第1回で、ある男性の症例報告を書きました。
20代後半で、まだ背が伸び続けていた方です。
手首を撮ったら、骨の成長線が閉じていなかった。
生まれつき、この変換装置が働かない体質でした。
女性ホルモンを補充したところ、成長線が閉じ、骨密度も改善しました。
男性です。
男の子の骨を仕上げているのも、女性ホルモンだったということです。
ここで一度、立ち止まってください。
思春期に増えるのは男性ホルモンだけだと思っていた方は、前提が一つ崩れています。
男の子の身体の中でも、同じ時期に女性ホルモンが増えている。
そして第4回と第5回で見てきたとおり、皮膚にはこのホルモンを受け取る側もあります。
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しかも、その時期からアトピーは女の子に多くなります
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ここで、もう一つの話を出します。
アトピーは、赤ちゃんから幼児のころは、男の子のほうが多い病気です。
スウェーデンの出生コホート研究では、生まれて1年目は男の子でリスクが高く出ています。
ところが、思春期から入れ替わります。
同じ研究で、24歳の時点では女性20.5%、男性14.8%。
女のほうが多くなっています。
同じ病名です。
同じ診断基準です。
それなのに、どちらに多いかが、ある年齢で入れ替わる。
そして入れ替わる時期が、性ホルモンが大きく動き出す時期と重なっています。
これ、偶然なんでしょうか。
僕は、ずっとここが気になっています。
ただ、ここは正直に書きます。
生まれつきの体質だけでは説明しきれない変化がある——ここまでは言えます。
でも、ホルモンが入れ替わりを起こしたと証明されたわけではありません。
男女差が変わる理由には、生活の環境や、免疫の育ち方も関わりえます。
質問票をもとにした調査で、男女の差そのものも大きくはありません。
つなげて断定するのは、まだ早い。
それでも、この二つが同じ時期に起きていることは、僕の中で消えません。
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顔と頭。出る場所が移動しています
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アトピーは、年齢によって出る場所が変わります。
赤ちゃんのころは、頬や頭。
そして腕や脚の、外側。
子どもになると、ひじの内側、ひざの裏、首。
思春期から大人では、顔と首。
手。
そして、擦れて硬くなった皮膚。
これは診断のときに見られている、よく知られた変化です。
僕の場合は、顔と頭でした。
同じアトピーなのに、なぜ出る場所まで変わるのか。
汗の量が変わります。
擦れる場所が変わります。
皮脂の出方が変わります。
もちろん、それだけでも条件は変わります。
でも、思春期に大きく変わるものがもう一つある。
性ホルモンです。
僕は、この変化も無視できないと思っています。
【襟のあたりが、いちばん多いんです】
思春期から首に出る方を、何百人も見てきました。
制服の襟。
部活の汗。
洗っても取れない枕カバーの匂い。
後ろで束ねた髪が、首の後ろに当たる。
首は、擦れて、蒸れて、冷えて、動く場所です。
そのうえ、顔の下で、粘膜にも近い。
条件が集まりやすい場所なんです。
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油が増えたのに、乾いていきます
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思春期に立ち上がるホルモンは、皮脂腺を動かします。
だからニキビが出ます。
ここで、ふつうに考えればこうなるはずです。
油が増えるなら、肌は守られるはずだ、と。
皮脂は本来、水分を逃がさないための膜ですから。
ところが現場では、逆の方が来ます。
テカっているのに、カサつく。
ニキビとアトピーが、同じ顔に同時に出ている。
油が増えているのに、乾いている。
出てくる皮脂の量と、肌が守られているかどうかは、別の話なんです。
皮膚の守りは、皮脂だけで決まっていません。
角質の構造や、そこにある脂質の種類も関わっています。
だから「油が増えたのに乾く」は、矛盾ではありません。
出てくる量ではなく、どういう皮膚から出ているか。
ここでも、同じ話になります。
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ここは、研究の途中です
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誤解されると困るので、一か所にまとめて書きます。
男性の身体でテストステロンがアロマターゼによってエストラジオールに変換されること、男子の思春期にも血中のエストラジオールが上がることは、内分泌学の確立した内容です。
思春期の前後で男女比が入れ替わるのも、複数の研究で報告されている事実です。
ただし、この二つをつなぐ線は証明されていません。
性ホルモンだけがその原因だと確定したわけでもありません。
皮膚にホルモンの受け皿があることは確認されていますが、それが症状の強さをどこまで左右しているかは、まだ研究の途中です。
だから、ホルモンのせいでアトピーが悪化する、とは書きません。
急に全身に広がった。
発熱がある。
膿や黄色い汁が出ている。
ここは医療が先です。
そして、薬をどう使うかの判断は、主治医の仕事です。
自己判断でやめる方法も勧めません。
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「アトピー体質だから」。その一言で、注射まで進んでいいんですか
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ここだけは、言わせてください。
思春期の悪化は、だいたいこう説明されます。
受験のストレスでしょう。
成長期だから。
体質だから。
大人になれば治るから。
たしかに、落ち着いていく方はいます。
でも、待って治らなかった方が、30代になってここに来るんです。
「中学のときから、ずっとです」
その方は、10年以上、毎朝鏡を見てきています。
そして最近、こういう相談が増えました。
「子どもに、注射を勧められています」
注射が悪いと言いたいわけではありません。
必要な人には、必要な治療です。
でも、僕が聞きたいのはそこじゃない。
なぜ、中学から急に悪化したのか。
なぜ、顔と首に出るようになったのか。
なぜ、女の子に多くなる時期と重なるのか。
そこには、まだ考える余地があるはずです。
それを「体質だから」の一言で閉じたまま、次に出てくるのが強いものだったりする。
症状を抑えることと、悪化する条件を探すこと。
どちらか一つを選ぶ必要なんてないんです。
体質という一言で止まったまま、強いほうへ進んでいく。
そこが、どうしても納得できません。
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僕は、四十年待った側です
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名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。
僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。
子どものアトピーは大人になれば治る。
そう言われる側でした。
治りませんでした。
40年かかりました。
学ランの肩を払っていたあの朝から、ずっとです。
だから、待っている方を見ると、言いたくなるんです。
待つ時間は、長いですよ。
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体質が変わらないのに、症状は変わる。だったら、変えられるものがあるはずです
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思春期に悪くなった方は、だいたいこう受け取っています。
自分のアトピーが、ぶり返した。
やっぱり体質だった。
でも、起きていたことは少し違います。
体質が急に悪くなったのではありません。
身体の条件が変わって、反応の出方が変わったんです。
ここから先は、僕の仮説です。
男性ホルモンが立ち上がって、その一部が女性ホルモンに変わる。
皮脂の出方も変わる。
出る場所も移動する。
この三つが同じ時期に起きています。
ただ、前のものが後のものを起こしたと確認されたわけではありません。
それでも、同じ身体の中で同じ時期に動いている。
少なくとも、これは「固定された体質」の動きではありません。
条件次第で動く身体の、動き方です。
ここは、よく読んでほしいところです。
条件が変わって悪くなったのなら——
条件を変えれば、また動くということです。
アトピーは変わらない、と決まっているわけではないんです。
本山整体サロンで、十代の方や、十代からずっと続いている方に確かめているのは、この4つです。
息が浅くなっていないか。
胃腸が動いて、ちゃんと出ているか。
夜、眠れているか。朝、疲れが抜けているか。
首と肩が固まったまま、一日が終わっていないか。
身長が急に伸びた身体に、内臓と自律神経が追いついていないことがあります。
前のめりの姿勢で、首と肩が固まって、呼吸が上がったまま一日が終わる。
そういう身体の首に、制服の襟が当たっている。
整体でホルモンの量を変えることはできません。
変換装置の働きを操作することもできません。
やっているのは、別のことです。
ホルモンが大きく動く時期に、不調が全部そこへ重なってしまう状態を、一つずつ減らしていく。
変化も、皮膚だけで判定しません。
朝、肩を払う回数が減ったか。
夜、眠れるようになったか。
崩れたあと、戻るまでの日数が短くなったか。
三週間だけで結論を急がず、三か月前とも比べてください。
成長期は、通る時期です。
通る時期の名前が、止まる理由になってはいけない。
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前回と次回
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前回は、エストロゲンの出口の話でした。肝臓が荷札をつけて捨てたホルモンを、腸の菌が開けて身体に戻しています。
女性ホルモンを増やしていたのは、腸内細菌だった?
https://motoyama-seitai.com/blog?wgd=blog-791
このシリーズ、思っていた以上に読んでいただいています。
「読んでます」と直接言われることが増えました。
ご質問もたくさん届いています。
ありがとうございます。
その中で、30代以上の女性から以前からいただいている質問が一つあります。
腫瘍マーカーです。
「少し高いですね」と言われて、再検査になった。
あの数値は、何を測っているのか。
調べていくと、このシリーズでずっと追ってきたものに行き当たりました。
局所の炎症です。
次回は、そこを書きます。
「え!?がんなのかな…」腫瘍マーカーが高く、再検査になった人へ
https://motoyama-seitai.com/blog?wgd=blog-793
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「小学校の高学年から、顔と頭に出はじめた」
「大人になれば治ると言われて、待っていた」
「子どもに、強い薬を勧められている」
そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。
出ている場所、いつから変わったか、眠りの深さ、お腹の状態、疲れの抜け方。
この順番で、何から見るかを一緒に決めます。
必要な方には、初回限定6,900円で、アトピー整体の初回相談・施術もご案内しています。
アトピー整体で何をするのか、初回の流れと料金はこちらにまとめています。
https://motoyama-seitai.com/online
名古屋・本山整体サロン
吉川真介
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愛知県名古屋市千種区本山
東山線 本山駅から徒歩1分
〒464-0819
愛知県名古屋市千種区四谷通1丁目23
アルファランドビルB1
本山整体サロン
#名古屋整体 #本山整体 #千種区整体 #名東区整体 #思春期アトピー #成長期 #アトピー #女性ホルモン #エストロゲン #テストステロン #頭のアトピー #体質改善 #本山整体サロン
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(本文で触れた資料)
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[1]アロマターゼ(CYP19A1)がアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であること、脂肪組織・皮膚・脳・骨など性腺以外の組織にも存在すること、男子の思春期にもテストステロンの芳香化によって血中エストラジオールが上昇することは、内分泌学の確立事項。
[2]アロマターゼ欠損症(CYP19A1遺伝子の変異)の男性例。成長線が閉じない、骨密度が低い、血中エストラジオールが検出困難。エストロゲン補充により成長線の閉鎖と骨密度の改善がみられた。男性の骨成熟にもエストロゲンが必要であることを示す症例。
Aromatase Deficiency, a Rare Syndrome: Case Report.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3701920/
[3]スウェーデンの出生コホート研究(BAMSE)。生後1年目は男児でアトピー性皮膚炎のオッズが高く(OR 1.31)、思春期から若年成人ではオッズが低い(OR 0.66)。24歳時点の有病率は女性20.5%、男性14.8%。質問票にもとづく調査であり、男女差そのものは大きくない。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9303811
[4]性ホルモンとアトピー性皮膚炎の経過に関する総説。思春期・月経周期・妊娠・更年期といったホルモン環境の変化と皮膚症状の関係が整理されている。
Int J Mol Sci.(2019)20(19):4660
https://www.mdpi.com/1422-0067/20/19/4660
[5]ヒト皮膚における性ステロイド受容体の分布。アンドロゲン受容体は表皮のケラチノサイトと皮脂腺細胞に広く発現。エストロゲン受容体はβ型が表皮・皮脂腺・汗腺に強く発現し、α型の発現は乏しく皮脂腺に限られる。
Pelletier G, Ren L.(2004)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15024720/
[6]年齢による皮疹の分布の違い(乳児期は顔・頭部および四肢の外側、幼小児期は四肢の屈曲部や頸部、思春期以降は顔・頸部・手および肥厚した皮疹)。
日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(診断における年齢別の分布の記載)
[7]思春期にアンドロゲンが皮脂腺の活動を高めることは内分泌学・皮膚科学の確立事項。皮膚のバリア機能は皮脂の量だけでなく、角質層の構造や細胞間脂質の組成にも左右される。本文の「油が増えたのに乾く」は、読者が抱きやすい前提(皮脂が増えれば肌は守られる)との食い違いとして書いており、皮脂の増加がバリアを壊すという意味ではない。
[8]本文で「思春期の男女比の入れ替わりと、性ホルモンの立ち上がりが同じ時期に重なる」と書いた部分は、二つの報告が同時期に起きているという観察にとどまる。因果関係は証明されていない。男女差が変化する要因には環境曝露や免疫の成熟も関わりうる。本文でもその区別を明記している。
[9]本文のうち、思春期から首に出る方が多いという観察、十代の方に呼吸・胃腸・睡眠・首肩の緊張を確認するという施術方針、三か月前とも比べて判定することは、本山整体サロンの臨床で見ている内容として書いている。整体によってホルモンの量やアロマターゼの活性が変化するという証明はない。
男の子なのに、女性ホルモンが増える。僕のアトピーが崩れはじめたのも、その頃でした。
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——エストロゲンの二面性 第7回/男性ホルモンが女性ホルモンに変わる。成長期の皮膚で何が起きているのか——
名古屋・本山整体サロン 吉川真介
思春期に増えるホルモンといえば、どちらを思い浮かべますか。
男の子なら、男性ホルモン。
女の子なら、女性ホルモン。
ふつうは、そう分かれていますよね。
ところが、男の子の身体でも女性ホルモンは増えます。
男性ホルモンが増えるのと同じ時期に、その一部が女性ホルモンに変わっていきます。
ここで、僕の話をします。
小学校の高学年から、顔と頭がひどくなりました。
中学に上がって、学ランを着るようになって——
肩に、雪が積もっていました。
朝、玄関で肩を払う。
それでも学校に着くまでに、また白くなっている。
後ろの席の子に見られているのが分かる。
授業中、頭をかかないようにしているだけで疲れました。
あのころ、僕の身体で何が変わっていたのか。
四十年たって、やっと調べました。
すると、思いもしなかったことが分かりました。
男の子の成長に、女性ホルモンが欠かせなかったんです。
しかも、アトピーが多い性別まで、思春期を境に入れ替わっていました。
おそらく、この記事を開いたあなたも——
小学校の高学年か、中学から、急にひどくなった。
出る場所が、ひじの内側から顔や首に移った。
「成長期だから」「体質だから」と言われてきた。
そして今、強い薬を勧められている。
このあたりにいるんじゃないでしょうか。
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男の子の身体は、男性ホルモンから女性ホルモンを作っています
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男性ホルモンと女性ホルモンは、別々に作られているわけではありません。
女性ホルモンの材料は、男性ホルモンです。
そして身体には、材料を作り変える装置があります。
アロマターゼという酵素です。
この装置は、卵巣だけにあるわけではありません。
脂肪。皮膚。脳。骨。
男の子の身体にも、ちゃんとあります。
だから、こうなります。
思春期に男性ホルモンが立ち上がる。
その一部が、アロマターゼで女性ホルモンに変わる。
男の子の血液の中でも、女性ホルモンは上がっていきます。
これは推測ではありません。
第1回で、ある男性の症例報告を書きました。
20代後半で、まだ背が伸び続けていた方です。
手首を撮ったら、骨の成長線が閉じていなかった。
生まれつき、この変換装置が働かない体質でした。
女性ホルモンを補充したところ、成長線が閉じ、骨密度も改善しました。
男性です。
男の子の骨を仕上げているのも、女性ホルモンだったということです。
ここで一度、立ち止まってください。
思春期に増えるのは男性ホルモンだけだと思っていた方は、前提が一つ崩れています。
男の子の身体の中でも、同じ時期に女性ホルモンが増えている。
そして第4回と第5回で見てきたとおり、皮膚にはこのホルモンを受け取る側もあります。
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しかも、その時期からアトピーは女の子に多くなります
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ここで、もう一つの話を出します。
アトピーは、赤ちゃんから幼児のころは、男の子のほうが多い病気です。
スウェーデンの出生コホート研究では、生まれて1年目は男の子でリスクが高く出ています。
ところが、思春期から入れ替わります。
同じ研究で、24歳の時点では女性20.5%、男性14.8%。
女のほうが多くなっています。
同じ病名です。
同じ診断基準です。
それなのに、どちらに多いかが、ある年齢で入れ替わる。
そして入れ替わる時期が、性ホルモンが大きく動き出す時期と重なっています。
これ、偶然なんでしょうか。
僕は、ずっとここが気になっています。
ただ、ここは正直に書きます。
生まれつきの体質だけでは説明しきれない変化がある——ここまでは言えます。
でも、ホルモンが入れ替わりを起こしたと証明されたわけではありません。
男女差が変わる理由には、生活の環境や、免疫の育ち方も関わりえます。
質問票をもとにした調査で、男女の差そのものも大きくはありません。
つなげて断定するのは、まだ早い。
それでも、この二つが同じ時期に起きていることは、僕の中で消えません。
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顔と頭。出る場所が移動しています
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アトピーは、年齢によって出る場所が変わります。
赤ちゃんのころは、頬や頭。
そして腕や脚の、外側。
子どもになると、ひじの内側、ひざの裏、首。
思春期から大人では、顔と首。
手。
そして、擦れて硬くなった皮膚。
これは診断のときに見られている、よく知られた変化です。
僕の場合は、顔と頭でした。
同じアトピーなのに、なぜ出る場所まで変わるのか。
汗の量が変わります。
擦れる場所が変わります。
皮脂の出方が変わります。
もちろん、それだけでも条件は変わります。
でも、思春期に大きく変わるものがもう一つある。
性ホルモンです。
僕は、この変化も無視できないと思っています。
【襟のあたりが、いちばん多いんです】
思春期から首に出る方を、何百人も見てきました。
制服の襟。
部活の汗。
洗っても取れない枕カバーの匂い。
後ろで束ねた髪が、首の後ろに当たる。
首は、擦れて、蒸れて、冷えて、動く場所です。
そのうえ、顔の下で、粘膜にも近い。
条件が集まりやすい場所なんです。
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油が増えたのに、乾いていきます
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思春期に立ち上がるホルモンは、皮脂腺を動かします。
だからニキビが出ます。
ここで、ふつうに考えればこうなるはずです。
油が増えるなら、肌は守られるはずだ、と。
皮脂は本来、水分を逃がさないための膜ですから。
ところが現場では、逆の方が来ます。
テカっているのに、カサつく。
ニキビとアトピーが、同じ顔に同時に出ている。
油が増えているのに、乾いている。
出てくる皮脂の量と、肌が守られているかどうかは、別の話なんです。
皮膚の守りは、皮脂だけで決まっていません。
角質の構造や、そこにある脂質の種類も関わっています。
だから「油が増えたのに乾く」は、矛盾ではありません。
出てくる量ではなく、どういう皮膚から出ているか。
ここでも、同じ話になります。
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ここは、研究の途中です
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誤解されると困るので、一か所にまとめて書きます。
男性の身体でテストステロンがアロマターゼによってエストラジオールに変換されること、男子の思春期にも血中のエストラジオールが上がることは、内分泌学の確立した内容です。
思春期の前後で男女比が入れ替わるのも、複数の研究で報告されている事実です。
ただし、この二つをつなぐ線は証明されていません。
性ホルモンだけがその原因だと確定したわけでもありません。
皮膚にホルモンの受け皿があることは確認されていますが、それが症状の強さをどこまで左右しているかは、まだ研究の途中です。
だから、ホルモンのせいでアトピーが悪化する、とは書きません。
急に全身に広がった。
発熱がある。
膿や黄色い汁が出ている。
ここは医療が先です。
そして、薬をどう使うかの判断は、主治医の仕事です。
自己判断でやめる方法も勧めません。
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「アトピー体質だから」。その一言で、注射まで進んでいいんですか
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ここだけは、言わせてください。
思春期の悪化は、だいたいこう説明されます。
受験のストレスでしょう。
成長期だから。
体質だから。
大人になれば治るから。
たしかに、落ち着いていく方はいます。
でも、待って治らなかった方が、30代になってここに来るんです。
「中学のときから、ずっとです」
その方は、10年以上、毎朝鏡を見てきています。
そして最近、こういう相談が増えました。
「子どもに、注射を勧められています」
注射が悪いと言いたいわけではありません。
必要な人には、必要な治療です。
でも、僕が聞きたいのはそこじゃない。
なぜ、中学から急に悪化したのか。
なぜ、顔と首に出るようになったのか。
なぜ、女の子に多くなる時期と重なるのか。
そこには、まだ考える余地があるはずです。
それを「体質だから」の一言で閉じたまま、次に出てくるのが強いものだったりする。
症状を抑えることと、悪化する条件を探すこと。
どちらか一つを選ぶ必要なんてないんです。
体質という一言で止まったまま、強いほうへ進んでいく。
そこが、どうしても納得できません。
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僕は、四十年待った側です
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名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。
僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。
子どものアトピーは大人になれば治る。
そう言われる側でした。
治りませんでした。
40年かかりました。
学ランの肩を払っていたあの朝から、ずっとです。
だから、待っている方を見ると、言いたくなるんです。
待つ時間は、長いですよ。
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体質が変わらないのに、症状は変わる。だったら、変えられるものがあるはずです
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思春期に悪くなった方は、だいたいこう受け取っています。
自分のアトピーが、ぶり返した。
やっぱり体質だった。
でも、起きていたことは少し違います。
体質が急に悪くなったのではありません。
身体の条件が変わって、反応の出方が変わったんです。
ここから先は、僕の仮説です。
男性ホルモンが立ち上がって、その一部が女性ホルモンに変わる。
皮脂の出方も変わる。
出る場所も移動する。
この三つが同じ時期に起きています。
ただ、前のものが後のものを起こしたと確認されたわけではありません。
それでも、同じ身体の中で同じ時期に動いている。
少なくとも、これは「固定された体質」の動きではありません。
条件次第で動く身体の、動き方です。
ここは、よく読んでほしいところです。
条件が変わって悪くなったのなら——
条件を変えれば、また動くということです。
アトピーは変わらない、と決まっているわけではないんです。
本山整体サロンで、十代の方や、十代からずっと続いている方に確かめているのは、この4つです。
息が浅くなっていないか。
胃腸が動いて、ちゃんと出ているか。
夜、眠れているか。朝、疲れが抜けているか。
首と肩が固まったまま、一日が終わっていないか。
身長が急に伸びた身体に、内臓と自律神経が追いついていないことがあります。
前のめりの姿勢で、首と肩が固まって、呼吸が上がったまま一日が終わる。
そういう身体の首に、制服の襟が当たっている。
整体でホルモンの量を変えることはできません。
変換装置の働きを操作することもできません。
やっているのは、別のことです。
ホルモンが大きく動く時期に、不調が全部そこへ重なってしまう状態を、一つずつ減らしていく。
変化も、皮膚だけで判定しません。
朝、肩を払う回数が減ったか。
夜、眠れるようになったか。
崩れたあと、戻るまでの日数が短くなったか。
三週間だけで結論を急がず、三か月前とも比べてください。
成長期は、通る時期です。
通る時期の名前が、止まる理由になってはいけない。
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前回と次回
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前回は、エストロゲンの出口の話でした。肝臓が荷札をつけて捨てたホルモンを、腸の菌が開けて身体に戻しています。
女性ホルモンを増やしていたのは、腸内細菌だった?
https://motoyama-seitai.com/blog?wgd=blog-791
このシリーズ、思っていた以上に読んでいただいています。
「読んでます」と直接言われることが増えました。
ご質問もたくさん届いています。
ありがとうございます。
その中で、30代以上の女性から以前からいただいている質問が一つあります。
腫瘍マーカーです。
「少し高いですね」と言われて、再検査になった。
あの数値は、何を測っているのか。
調べていくと、このシリーズでずっと追ってきたものに行き当たりました。
局所の炎症です。
次回は、そこを書きます。
「え!?がんなのかな…」腫瘍マーカーが高く、再検査になった人へ
https://motoyama-seitai.com/blog?wgd=blog-793
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「小学校の高学年から、顔と頭に出はじめた」
「大人になれば治ると言われて、待っていた」
「子どもに、強い薬を勧められている」
そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。
出ている場所、いつから変わったか、眠りの深さ、お腹の状態、疲れの抜け方。
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(本文で触れた資料)
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[1]アロマターゼ(CYP19A1)がアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であること、脂肪組織・皮膚・脳・骨など性腺以外の組織にも存在すること、男子の思春期にもテストステロンの芳香化によって血中エストラジオールが上昇することは、内分泌学の確立事項。
[2]アロマターゼ欠損症(CYP19A1遺伝子の変異)の男性例。成長線が閉じない、骨密度が低い、血中エストラジオールが検出困難。エストロゲン補充により成長線の閉鎖と骨密度の改善がみられた。男性の骨成熟にもエストロゲンが必要であることを示す症例。
Aromatase Deficiency, a Rare Syndrome: Case Report.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3701920/
[3]スウェーデンの出生コホート研究(BAMSE)。生後1年目は男児でアトピー性皮膚炎のオッズが高く(OR 1.31)、思春期から若年成人ではオッズが低い(OR 0.66)。24歳時点の有病率は女性20.5%、男性14.8%。質問票にもとづく調査であり、男女差そのものは大きくない。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9303811
[4]性ホルモンとアトピー性皮膚炎の経過に関する総説。思春期・月経周期・妊娠・更年期といったホルモン環境の変化と皮膚症状の関係が整理されている。
Int J Mol Sci.(2019)20(19):4660
https://www.mdpi.com/1422-0067/20/19/4660
[5]ヒト皮膚における性ステロイド受容体の分布。アンドロゲン受容体は表皮のケラチノサイトと皮脂腺細胞に広く発現。エストロゲン受容体はβ型が表皮・皮脂腺・汗腺に強く発現し、α型の発現は乏しく皮脂腺に限られる。
Pelletier G, Ren L.(2004)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15024720/
[6]年齢による皮疹の分布の違い(乳児期は顔・頭部および四肢の外側、幼小児期は四肢の屈曲部や頸部、思春期以降は顔・頸部・手および肥厚した皮疹)。
日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(診断における年齢別の分布の記載)
[7]思春期にアンドロゲンが皮脂腺の活動を高めることは内分泌学・皮膚科学の確立事項。皮膚のバリア機能は皮脂の量だけでなく、角質層の構造や細胞間脂質の組成にも左右される。本文の「油が増えたのに乾く」は、読者が抱きやすい前提(皮脂が増えれば肌は守られる)との食い違いとして書いており、皮脂の増加がバリアを壊すという意味ではない。
[8]本文で「思春期の男女比の入れ替わりと、性ホルモンの立ち上がりが同じ時期に重なる」と書いた部分は、二つの報告が同時期に起きているという観察にとどまる。因果関係は証明されていない。男女差が変化する要因には環境曝露や免疫の成熟も関わりうる。本文でもその区別を明記している。
[9]本文のうち、思春期から首に出る方が多いという観察、十代の方に呼吸・胃腸・睡眠・首肩の緊張を確認するという施術方針、三か月前とも比べて判定することは、本山整体サロンの臨床で見ている内容として書いている。整体によってホルモンの量やアロマターゼの活性が変化するという証明はない。

