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2026.10.10

アトピー

腸活の嘘⑤|食物繊維を増やして、お腹が張る人へ——繊維を減らしたら、便秘が良くなった人たちがいます—— 名古屋・本山整体サロン 吉川真介

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腸活の嘘⑤|食物繊維を増やして、お腹が張る人へ
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——繊維を減らしたら、便秘が良くなった人たちがいます——

名古屋・本山整体サロン 吉川真介

「食物繊維を増やしましょう」。

これ、腸活の王道です。

玄米に変えた。

野菜を増やした。

ごぼうもサラダも、意識して食べている。

で、聞くんです。

便は、出ていますか。

「変わらないです」。

お腹は。

「むしろ、張るようになりました」。

——この会話、何回もしています。

名古屋市名東区・千種区で、アトピーや慢性不調の方を診続けて15年以上。

僕自身も、生まれてすぐから40年、アトピーでした。

今日は、食物繊維を疑ってみます。

腸活の嘘④ここ
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まず、「食物繊維」という一語が雑すぎます
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ここを分けないと、話が進みません。

水に溶けるもの(水溶性)。

溶けないもの(不溶性)。

腸の中で発酵しやすいもの。

発酵しにくいもの。

ゲルのように粘るもの。

粘らないもの。

——全部、体の中での働きが違います。

玄米や小麦ブラン、ごぼうは、不溶性が多いほう。

オートミール、大麦、豆、サイリウムは、水溶性が多いほう。

同じ「食物繊維」という名前で売られていますが、腸の中で起きることは別です。

【「繊維が足りない」ではなく、「合っていない繊維かもしれない」】

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第1部の研究を、思い出してください
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2021年の『Cell』誌の研究。

健康な成人を二つに分けて、片方は発酵食品、もう片方は食物繊維を増やしました。

食物繊維のグループは、どうなったか。

腸内細菌の多様性は、変わらなかった。

血液で測った19種類の炎症の指標も、どれも下がらなかった。

ただし、腸の中の酵素のはたらきには変化がありました。

そして、便はやわらかくなった。

つまり、こういうことです。

便の出方には、効いた。

でも、「腸内環境が良くなる」と言われているときに想像する変化は、出ていない。

【食物繊維の仕事は、思っているより限定的かもしれません】

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ここからが、今回の本題です
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繊維を減らしたら、便秘が良くなった。

——そういう研究があります。

2012年、『World Journal of Gastroenterology』誌。

対象は、原因のはっきりしない便秘の63例です。

大腸カメラで、他の病気は除外してあります。

この人たちに、2週間、食物繊維をやめてもらいました。

そして、1か月ごとに経過を見て、6か月後に結果をまとめています。

結果はこうでした。

繊維の摂取を減らした人たちで、排便の回数が増えた。

お腹の張りが減った。

腹痛も減った。

そして、完全に繊維をやめた人たちでは、肛門からの出血やいきみがなくなっていた。

——えっ、と思いませんか。

「便が出ないなら、繊維を増やしましょう」。

ずっと、そう言われてきました。

その逆をやった人たちで、数字が改善している。

ここは正確に書きます。

これは比較のグループを置いた試験ではなく、63人の前後を見た研究です。

対象は、検査で他の病気を除外した「原因のはっきりしない便秘」の人たちです。

だから、「全員、繊維をやめましょう」という話ではありません。

でも、これだけは言えます。

【「増やせば必ず出る」も、同じくらい雑な話です】

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種類を変えるという選択
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ゼロか百かの話にしないために、もう一つ紹介します。

アメリカ消化器病学会(ACG)が2021年に出した、過敏性腸症候群のガイドライン。

ここでは、こうなっています。

症状全体の改善には、水溶性の繊維を使うことを提案。

一方で、小麦ブランのような不溶性の繊維は、推奨しない。

——同じ「食物繊維を増やす」でも、答えが分かれています。

実際、不溶性の繊維は、人によっては症状を悪くすることがあると指摘されています。

お腹が張って苦しい人が、ごぼうと玄米を増やす。

これ、方向が逆になっている可能性があります。

【足りないから増やすのではなく、合うものに替える】

この発想が、抜けている人が多いです。

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その繊維、誰の餌になっていますか
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ここが、タイトルの話です。

発酵しやすい繊維は、腸の中で菌に分解されます。

分解されると、ガスが出ます。

これは、異常ではありません。

正常な反応です。

問題は、その量と場所です。

もともとガスが多い人。

お腹が張りやすい人。

食後に苦しくなる人。

——そこへ、発酵しやすいものをさらに足したらどうなるか。

【良いものを食べて、ガスが増える】

これが、「体にいいはずなのに苦しい」の正体の一つです。

ちなみに、こういう飲み物や食品が増えています。

イヌリン入りの飲料。

難消化性デキストリン入りのお茶。

オリゴ糖。

全部、腸にいいとされているものです。

そして全部、腸の中で発酵します。

便通のために飲み始めて、ガスが増えた人。

——心当たり、ありませんか。

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玄米の話を、少しだけ
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日本人の腸活で、最も多いのが玄米です。

「白米を玄米に変えました」。

よく聞きます。

玄米は、不溶性の繊維が多いほうです。

そして、よく噛まないと処理が重くなります。

胃腸がしっかりしている人なら、問題ありません。

でも、こういう人はどうでしょうか。

食後に眠くなる。

胃が重い。

お腹が張る。

早食いの自覚がある。

——この状態で、処理に手間のかかるものを毎食入れる。

玄米が悪いのではありません。

今のその人の胃腸で、処理できるかという話です。

僕は「玄米をやめろ」とは言いません。

ただ、玄米に変えてから調子が落ちている人には、一度白米に戻してもらいます。

それで楽になるなら、答えは出ています。

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増やす前に、出ていますか
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第2部で書いたことを、もう一度。

通過時間と便の性状は、腸の中の菌の構成を大きく左右します。

つまり、出ていない状態で足しても、土台のほうが先に効いてしまう。

だから僕は、順番をこうしています。

まず、出す。

次に、種類を見る。

最後に、量を調整する。

増やすのは、最後です。

実際にやってもらうのは、三つだけです。

一つ、一気に増やさない。

二週間ずつ、一種類ずつ。

二つ、水分と一緒に増やす。

水を足さずに繊維だけ増やすと、固まる人がいます。

三つ、張るなら種類を替える。

不溶性を減らして、水溶性のほうへ寄せてみる。

それで変わるかどうかを見ます。

ただし、自己判断で長期間、極端に繊維を抜いた食事を続けないでください。

さっきの研究は「原因のはっきりしない便秘の人を、医師が経過を見ながら」の話です。

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「食物繊維を増やしたのに、便が出ない」。

「玄米に変えてから、お腹が張る」。

「ガスばかり増えて、苦しい」。

そう感じている方は、LINEで【土台チェック】と送ってください。

今食べているもの、便の回数と硬さ、張りとガス、いつから変わったか。

そこから、何が先かを一緒に決めます。

食物繊維は、大事です。

便の出方には、効きます。

でも、増やせば増やすほどいい、という話ではありません。

水に溶けるものと、溶けないもの。

発酵しやすいものと、しにくいもの。

働き方が、違います。

そして——

繊維をやめたら、便秘と張りと腹痛が減った人たちがいる。

その報告がある以上、「出ないなら増やす」で止まっていてはいけないと思うんです。

【その食物繊維、誰の餌になっていますか】

もう一つ。

【増やす前に、出ていますか】

次回は、腸活でいちばん有名な言葉を疑います。

善玉菌。

悪玉菌。

日和見菌。

——あれ、そもそも誰が決めたんでしょうか。

名古屋・本山整体サロン
吉川真介

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(本文で触れた資料)
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Ho KS, et al. Stopping or reducing dietary fiber intake reduces constipation and its associated symptoms.
World Journal of Gastroenterology. 2012;18(33):4593-4596.

Lacy BE, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome.
American Journal of Gastroenterology. 2021;116(1):17-44.

Wastyk HC, et al. Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status.
Cell. 2021;184(16):4137-4153.

Vandeputte D, et al. Stool consistency is strongly associated with gut microbiota richness and composition, enterotypes and bacterial growth rates.
Gut. 2016;65(1):57-62.